BARNFIND / FEATURE
ENGINE FILE / 01 1966—1984

アーリーとレイト。
見分けるなら、ヘッドより下。

実車で見比べる ↓
ENGINE FILE EARLY VS LATE

ショベルヘッドのアーリーとレイトの違い|実車で見分けるポイントとパンヘッドからの進化

二台の実車から、発電・点火・排気量の違いを見ていく。

ショベルヘッドのモデルや年式を調べる手がかりのひとつが、エンジン番号です。打刻の位置や番号の読み方は、車体番号から年式とモデルを見分けるで解説しています。

01 / PANHEAD TO SHOVELHEAD

パンヘッドから、何が進化したのか。

1966年のショベルヘッドで大きく変わったのは、エンジン上部です。シリンダーヘッドとロッカーまわりを刷新し、ハーレーの公式資料も、パンヘッドからの主な進化として出力の向上を挙げています。一方、初期のショベルは74ciの排気量と、エンジン前方のギア駆動式ジェネレーターを引き継ぎました。

形の違いは、ロッカーアームの支え方にある

どちらもプッシュロッドでバルブを動かすOHVです。パンヘッドでは、鍋を伏せたようなカバーの下にロッカー機構があります。ショベルヘッドでは、ロッカーアームの軸をロッカーボックスで支える構造になりました。ヘッド上に見えるスコップ状の輪郭は、この構造の違いから生まれています。

実車で見る、3世代のエンジン

パンヘッドのエンジン右側
パンヘッド
ヘッド上部には、鍋を伏せたような丸みのあるカバー。
アーリーショベルのエンジン右側
アーリーショベル
上部はショベル形のロッカーボックス。右下にはパンヘッドの流れをくむギアカバー。
コーンショベルのエンジン右側
コーンショベル
上部はショベル形を継承。右下には丸い点火カバーが見える。
外観と構造の比較
見る場所 最終期パン アーリー レイト
ヘッド上部 鍋形のカバー スコップ形のロッカーボックス ショベル形状を継承
発電機 前方にジェネレーター 前方にジェネレーター 左側にオルタネーター
純正排気量 74ci 74ci 74ci/後年に80ci追加

モデル年式で追う、主な変更

1966年
ショベルヘッド登場。
1970年
コーンショベルへ移行。
1973年
オイル系統を変更。ケース、ギアカバー、オイルポンプにも変更が入る。
1978年途中
約1,340ccの80ci仕様が登場。
1984年
ショベルヘッド最終年。ここではビッグツインの純正モデル年式を基準に比較する。
02 / SIDE BY SIDE

実車では、エンジンの右下を見る。

前方の発電機が目印のアーリーは、海外では「Generator Shovel」とも呼ばれます。レイトの「コーンショベル」という呼び名は、右下に張り出したカバーに由来します。

EARLY / 1966–1969アーリーショベルのエンジン右側
エンジン前側に筒状の発電機。
LATE / 1970–1984レイトショベルのエンジン右側
エンジン右下にコーン状のカバー。

実車を右側から比較。どちらも車体前方は写真の右です。

03 / CHARGING SYSTEM

発電機が左に移り、エンジンの下半分が変わった。

アーリーでは、クランクケース前方に付いた直流ジェネレーターをギアで回して発電する。1970年モデルでは、その外付けの発電機がなくなり、クランクシャフト左端のプライマリー側にローターとステーターが収まった。発電機の取り付け位置と駆動方法が変わり、ケース前側の形も変わった。

アーリーショベルの左側、前シリンダー下に見えるジェネレーター
装着位置
写真の左が車体前方。前シリンダーの下、ペダルの奥にフィン付きの端部が見える。
ジェネレーター単体
ジェネレーター単体
写真はリプレイスメントパーツのジェネレーターです。この筒状の部品はアーリーショベルにあり、レイトショベルにはありません。

オルタネーター化で、何が良くなった?

発電機をエンジン前に張り出させずに収められ、発電機を回すための専用ギアも不要になった。さらに、直流ジェネレーターで摩耗するブラシと整流子がなくなり、その点検や交換の手間が減った。オルタネーターが作る交流は、レギュレーターで整流・電圧調整され、バッテリーを充電する。

点火機構と、充電系の点検箇所

見る場所 アーリー レイト
点火機構 ケース右前方の縦型タイマー 右側カムカバーのコーン部
整備で見る箇所 ブラシ、整流子、レギュレーター、配線 ステーター、レギュレーター、コネクターやアース

純正の点火方式は年式によって変わり、後から電子点火に交換されている車両もある。レイトの丸いカバーが見えても、その中がポイント式か電子式かは外からは分からない。

中古車を見るなら、オルタネーター式でも、実際に充電できているかは現車で確かめたい。レギュレーターや配線の状態、後から変更された部品によっても変わるので、充電電圧を測った結果を販売店に聞いてみよう。

04 / 74 & 80 CUBIC INCHES

コーンショベルなら、全部1340?

74ciは約1,200cc。80ciは約1,340cc。レイトには両方の排気量があり、コーンの形だけでは判別できません。中古車の排気量を確認するなら、モデル年式と整備記録を照らし合わせ、ボアアップなどの変更歴も聞いてみよう。

05 / FRAME

純正ショベルは、リアサスペンション付き。

ショベルヘッド搭載のハーレーは、アーリーもレイトも、工場出荷時はリアサスペンション付きのフレームです。純正のリジッドフレーム仕様はありません。

リアサスペンションのない「リジッドショベル」は、ショベルヘッドのエンジンをリジッドフレームに載せ替えたり、既存のフレームをリジッド化したりして作られたカスタム車両です。エンジンがアーリーかレイトかと、フレームが純正かカスタムかは、それぞれ別の話です。

リアショック付きの後輪まわりのイラスト
リアサスペンション付き
スイングアームが動き、斜めに付いたコイルスプリング付きのショックが上下の動きを受け止めます。
リジッドフレームの後輪まわりのイラスト
リジッドフレーム
上下のフレームパイプが後輪の軸まで伸び、後輪を固定します。
06 / PRICE

アーリーショベルとレイトショベルの価格差

アーリーショベルの製造期間は1966〜1969年の4年間。レイトに比べて流通台数が少なく、その希少性が価格にも表れます。

BARNFINDでの価格感では、アーリーはレイトの約1.5倍から2倍近くになることもあります。

実際の価格は車両ごとに異なります。 純正部品の残り具合、エンジンや車体の状態、整備内容、カスタムの仕様によって変わります。

07 / SUMMARY

まとめ|ショベルヘッドは、上と下を分けて見る。

  • ヘッド上部を見ると、パンヘッドからショベルヘッドへの変化が分かります。
  • エンジン下部を見ると、前方に発電機があるアーリーと、右下にコーンが張り出すレイトを見分けられます。
  • 購入前には、排気量やフレームの仕様、載せ替えやカスタムの履歴を現車と記録で確認しましょう。

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アーリーとコーンの実例を3台選びました。車両ごとの写真と仕様は、各詳細ページでご覧いただけます。